
5万円近いイヤホンを2年使って、いちばん多くやったことは何かと聞かれたら。
「フィンの付け替え」と答えます。
音の話じゃないんですよ。イコライザーを詰めた回数より、耳に引っかける小さなシリコンパーツを外して、別のサイズに付け替えた回数の方がずっと多い。
ゼンハイザーのMOMENTUM True Wireless 4を、2024年6月から使っています。そして2026年9月3日、後継のMOMENTUM True Wireless 5が出ます。予約はもう始まっています。

で、公式のスペックを4と5で並べてみたんですが。
結論から言うと、5は僕がこの2年で不満だった部分を、ピンポイントで直してきました。
それでもまだ、予約ボタンを押せていません。
理由は2つあって。ひとつは5万円に近い価格。もうひとつは、スペックをよく見ると増えていない数字があることです。
「バッテリーが向上」と各所で書かれていますが、ある条件では、むしろ減っています。
- MOMENTUM True Wireless 4と5の違い(公式スペックを1対1で並べた比較表)
- 「バッテリー向上」の中身——ノイズキャンセリングをオンにすると、実は減ること
- 2年使ったオーナーの本当の不満と、5がそこをどう変えてきたか
- 付属品リストから、あるパーツが消えていること
2年使って、不満は音じゃなかった
MOMENTUM True Wireless 4の音については、別の記事で散々書きました。TrueResponseドライバーの鳴り方も、Smart Controlのイコライザーで自分の耳に合わせていく体験も、5万円近くを払った理由としてまったく後悔していません。
でも、2年経って残った不満は、そこじゃなかったんですよ。
フィンの付け替え|大きくすれば落ちない、でも痛い
MOMENTUM True Wireless 4には、フィンがS/M/Lの3サイズ付いてきます。耳のくぼみに引っかけて、本体を支えるための小さなパーツです。
これを、2年間ずっと行ったり来たりしていました。
出っ張りが小さいフィンにすると、痛みはほぼない。でも、すぐ落ちる。
大きいフィンに替えると、落ちにくくはなる。でも、耳が痛い。
どっちを選んでも、何かを失うんですよ。落ちないようにすれば痛くなって、痛くないようにすれば落ちる。その真ん中が、2年探しても見つからなかった。

フィン自体はそこまで固くないんですけど、付け替えるたびに「シリコンの方が先にダメになるんじゃないか」とは思ってました。
SpinFitに替えて|多少マシになった。解決ではない
途中で、イヤーピースをSpinFitに交換しました。
フィンが「耳に引っかける出っ張り」なのに対して、イヤーピースは「耳穴に入る部分」です。別のパーツですね。保持の仕方が違うので、こっちを変えたら何か変わるかもしれない、と。
結果は、多少マシになった。
これはそのまま書いておきます。改善したけど、解決ではない。根本のトレードオフは残ったままでした。
AirPods Proでは落ちない|だから出っ張りの問題じゃない
ここが、この記事でいちばん書いておきたいところです。
僕はAirPods Pro 2も持っています。そしてAirPods Proには、フィンのような出っ張りが一切ありません。
でも、落ちないんですよ。
同じ耳です。同じ人間の、同じ耳の形。片方は出っ張りが無いのに安定して、片方は出っ張りを大きくしないと落ちる。
だとすると、「出っ張りがあるかどうか」の問題じゃないわけですよね。
僕は、本体の重心と、自分の耳の形へのマッチ度の問題なんじゃないかと思っています。ただこれは僕の見立てで、確かめる手段はありません。断言はできない。
それでも、「保持パーツを足せば解決する話ではない」ことだけは、自分の耳で確認できているわけです。
もう一つの不満|電話で「聞こえづらい」と言われた
装着感の次に引っかかっていたのが、通話です。
普通の電話——スマホの通話でMOMENTUM True Wireless 4を使ったとき、相手に「なんか聞こえづらい」と言われました。
自分の声が相手にどう届いているかって、話している側からは分からないんですよね。モニターできるわけでもないので、言われるまで気づけなかった。
さて。この2つの不満を頭に置いたまま、MOMENTUM True Wireless 5の発表内容を読んでいったら、少し妙な気分になりました。
MOMENTUM True Wireless 5は何が変わったのか
発表の内容を読んでいて、少し落ち着かない気分になりました。
変わったところが、僕が不満だった順に並んでいるように見えたからです。
筐体|耳型データで設計し直してきた
ゼンハイザーは、自社が蓄積してきた耳型のデータを解析して、本体の形そのものを作り直したと説明しています。丸みを帯びた形状になり、サイズも小さくなった。イヤーチップも新設計です。
同社の装着テストでは、このフィンの無い形を前モデルより快適だと答えた人が73%——という数字も出しています。これはゼンハイザー自身が公表している数字で、第三者が測ったものではありません。そこは差し引いて読む必要があります。
ただ、方向ははっきりしています。
フィンを足して支えるのではなく、形そのものを耳に合わせに来た。
僕が2年やっていたのは、フィンのサイズを行ったり来たりすることでした。つまり「保持パーツで何とかする」という発想です。5は、そこを別のやり方で解こうとしている。

スペック表だと「デザイン刷新」の一言で終わる項目なんですよね。でも4で装着感に悩んだ人にとっては、ここがいちばん大きい変更だと思います。
マイク|3個から4個へ、骨伝導入り
イヤホン1つあたりのマイクが、3個から4個に増えました。しかも骨伝導マイクが入っています。
骨伝導マイクは、空気を伝わってくる音ではなく、話すときに顎や頭蓋に伝わる振動を拾います。周りの雑音と自分の声を分けやすくなる仕組みですね。
電話で「聞こえづらい」と言われた人間としては、ここも見過ごせない変更です。
バッテリー|ユーザーが自分で交換できる
これは予想していませんでした。
イヤホン側もケース側も、バッテリーをドライバーで自分で交換できる構造になっています。交換用のツールは同梱、交換用のバッテリーは別売です。
完全ワイヤレスイヤホンって、たいていバッテリーの寿命がそのまま製品の寿命になります。音が気に入っていても、持ち時間が短くなったら買い替えるしかない。そこに手を入れられるようにしたのは、5万円クラスの製品としてはかなり誠実な設計だと思います。
さて。ここまでは「変わったところ」の話です。
次は、4と5を実際に並べてみます。
公式スペック比較|4と5を1対1で並べる
ここからが本題です。
進化した点だけを並べても、買い替えるかどうかは決められないんですよね。変わらなかったところまで含めて全部並べないと、自分にとって意味のある差がどれなのか分からない。
なので、ゼンハイザーの公式ページから4と5のスペックを1つずつ拾って、全項目を並べました。右端は、僕がどう受け取ったかです。
| 項目 | MOMENTUM True Wireless 4 | MOMENTUM True Wireless 5 | 変化 |
| ドライバー | TrueResponse 7mm | TrueResponse 7mm | 同じ |
| 再生周波数帯域 | 5Hz〜21kHz | 5Hz〜21kHz | 同じ |
| 対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive・Lossless / LC3 | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive・Lossless | ⬇ LC3が消えた |
| Bluetooth | 5.4 | 6.0 | ⬆ |
| ノイズキャンセリング | ハイブリッドANC | ハイブリッド・アダプティブANC | ⬆ |
| 連続再生(ANCオフ) | 7.5時間 | 12時間 | ⬆ +4.5時間 |
| 連続再生(ANCオン) | 7.0時間 | 6時間 | ⬇ −1時間 |
| ケース込み合計 | 30時間 | 40時間 | ⬆ |
| 急速充電 | 8分で1時間再生 | 8分で1時間再生 | 同じ |
| マイク | イヤホン1つに3個 | イヤホン1つに4個(骨伝導含む) | ⬆ |
| 防水 | IP54 | IP54 | 同じ |
| イヤホン単体の重量 | 6.2g | 7g | ⬇ 重くなった |
| ケースの重量 | 66.4g | 55g | ⬆ 軽くなった |
| ケースの寸法 | 70.1 × 44.6 × 34.8 mm | 67.2 × 48.4 × 25.0 mm | ⬆ 体積 約25%減 |
| 空間オーディオ | 記載なし | Dolby Atmos | 新規 |
| イコライザー | 5バンドEQ | 8バンド グラフィックEQ | ⬆ |
| イヤーチップ | XS / S / M / L | XS / S / M / L | 同じ |
| フィン | S / M / L(3セット付属) | 付属しない | ⚠️ |
| バッテリー交換 | 不可 | ユーザーが交換可能 | ⬆ |
※ゼンハイザー日本公式の製品ページより(2026年8月時点)
並べてみると、「同じ」の行がけっこうあるのが分かると思います。
そして、⬇が3つある。
次のセクションでは、この⬇を1つずつ見ていきます。⬆は数字が増えているだけなので説明が要りませんが、⬇は「なぜ減ったのか」「それが自分に効くのか」まで見ないと判断できないので。
数字をよく見ると、増えていないものがある
表に⬇が3つ付きました。上から順に見ていきます。
先に断っておくと、この3つは「5がダメだ」という話ではありません。ただ、「全部が良くなった新型」だと思って予約すると、後から「あれ?」となりかねない項目です。
ノイズキャンセリング|オンにすると、再生時間はむしろ減る
数字をもう一度だけ置きます。
- ANCオフ:7.5時間 → 12時間
- ANCオン:7.0時間 → 6時間
オフのときは4.5時間伸びて、オンのときは1時間縮んでいます。
「バッテリーが大きく伸びた」という言い方自体は、間違っていません。オフの数字は実際に1.6倍になっている。ただ、ノイズキャンセリングをオンにしたまま使う人にとっては、5は「短くなる」側の変更です。
完全ワイヤレスのノイズキャンセリングって、切って使う場面の方が少ないと思うんですよ。電車でも、カフェでも、オンにしっぱなし。だとすると、この6時間の方が実質的な連続再生時間になります。
なぜ減ったのかは、公式ページに説明が見当たりませんでした。アダプティブ化した分の処理や、Dolby Atmosの分が乗っているのかもしれません。ただ、これは僕の想像で、根拠はありません。
ひとつ留保を付けておきます。5の仕様には「テスト条件:iPhone、音量中」という注記がありますが、4のページには同じ注記が見当たりません。同じメーカーの同じ項目なので並べる意味はあると思っていますが、測定条件までまったく同じかどうかは、公式ページからは確認できませんでした。
一方で、ケース込みの合計は30時間から40時間に増えています。1回あたりは短くなっても、1日単位で見れば充電の回数はむしろ減る計算になる。どちらが自分の使い方に効くかで、評価が反転する項目ですね。
音|ドライバーも再生周波数帯域も、4と同じ数字
これは表を作っていて、いちばん意外だったところです。
- ドライバー:TrueResponse 7mm(4と同じ)
- 再生周波数帯域:5Hz〜21kHz(4と同じ)
音を出す部品そのものは、数字の上では変わっていません。
変わったのはチューニング、Dolby Atmos対応、それに8バンドのグラフィックEQ。つまり5の音の変化は、ハードではなくソフト側から来ていると読むのが自然です。
これは悪いことではないです。同じドライバーでもチューニングが変われば音は変わりますし、4だって、Smart Controlのイコライザーを詰めていくとけっこう別物になりました。
ただ、「音が良くなったらしいから買い替える」という理由づけだけは、公式スペックからは支えられません。ここは実機が出てから、自分の耳で確かめるしかない部分です。
コーデック|増えたのではなく、1つ減っている
MOMENTUM True Wireless 5の対応コーデックは、SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive・Lossless。
aptX Losslessが5の目玉のように見えるんですが、これは4の公式スペックにも同じものが載っています。5で追加されたものではありません。
そして、4にあって5に無いものが1つあります。LC3です。
LC3はBluetooth LE Audioで使われるコーデックで、低いビットレートでも音質を保ちやすいのが特徴です。4の対応リストには載っていて、5のリストには載っていない。Bluetoothのバージョンは5.4から6.0に上がっているのに、です。
意図的に外したのか、記載が変わっただけなのかは、公式ページからは読み取れませんでした。LC3で繋いでいる人が今どれだけいるかというと、おそらくかなり少数だとは思います。それでも、「新しい方が対応規格も多い」とは限らないという例ではありますね。
さて。ここまでが⬇の中身です。
じゃあ僕が5への興味を失ったかというと、そうでもないんですよ。むしろ、この表を作ってから気になり始めた行が2つあります。
それでも、MOMENTUM True Wireless 5に惹かれている理由
⬇を3つ並べておいて何なんですが、僕はまだ予約ページを閉じられずにいます。
面白いのは、その理由がさっき書いた2つの不満とは別のところにあることなんですよ。付け心地も通話も、5がどう変わったかは発表内容から分かる。でも「効くかどうか」は着けてみないと分からない。それに対して、着ける前から確実に分かっている変更が2つあります。
ケース|いちばん短い辺が、約10mm縮んだ

- ケースの寸法:70.1 × 44.6 × 34.8 mm → 67.2 × 48.4 × 25.0 mm
- ケース重量:66.4g → 55g
先に断っておくと、公式ページは3辺の数字を並べているだけで、どれが高さでどれが厚みなのかは書いていません。ただ、製品写真を見る限り正面から見た時の奥行きが短くなっています。
いちばん短い辺が、34.8mmから25.0mmへ。約1cm縮んでいます。ポケットに入れたときに出っ張るのは、この辺です。4の時はポケットに入れると恐ろしく邪魔になるので嬉しい変更ですね。
そして3辺を掛け合わせると、体積が約25%減っています。横幅は少し縮み、もう一辺はむしろ増えているんですが、それを差し引いても4分の1が消えている計算になる。どの向きに置いても小さくなった、ということですね。
イヤホン単体は6.2gから7gに重くなっているのに、ケース込みの合計は72.4gから62gに減っています。増えた分より、減った分の方がずっと大きい。
ひとつ留保を付けておくと、ケースの素材が横長のファブリックから縦長の樹脂に変わっています。ここは薄さと引き換えなのか、単に方向性を変えたのかが公式ページからは読めません。手触りの好みが割れる可能性はあるので、僕もここは実物を触るまで判断を保留しています。
バッテリー|3年目以降に効いてくる変更
イヤホンもケースも、バッテリーを自分で交換できる。交換用のツールは同梱で、バッテリー自体は別売です。
完全ワイヤレスって、構造上バッテリーの寿命がそのまま製品の寿命になります。音が気に入っていても、持ち時間が短くなったら買い替えるしかない。この構造自体は、どのメーカーの製品でも同じです。
5は、そこに逃げ道を作ってきました。
正直に言うと、これは買った直後には1ミリも効かない機能です。効き始めるのは3年目、4年目。予約する今日の判断材料としては、かなり弱い部類だと思います。
それでも僕がこの行を気にしているのは、5万円に近い金額の受け止め方が変わるからです。2年で使い切る5万円と、バッテリーを替えながら使う5万円は、同じ数字でも意味が違う。
さて、ここまでが「惹かれている理由」です。
逆に、確認できていないから予約ボタンを押せていない項目も、はっきり2つあります。
買う前に知っておきたいこと
どちらも、最後は着けてみないと答えが出ない項目です。
フィン|5には、付属しません
これは公式ページを1対1で見比べて確認しました。
MOMENTUM True Wireless 4の同梱品:イヤホン/イヤーアダプター4個(XS・S・M・L)/イヤーフィンセット3個(S・M・L)/充電ケース/USB-C充電ケーブル/クイックガイド
MOMENTUM True Wireless 5の同梱品:イヤホン/充電ケース/USB-C充電ケーブル/イヤーチップ(XS・S・M・L)/バッテリー交換用ツール/取扱説明書
同じ「同梱品」の欄です。4は「イヤーフィンセット3個」と行を立てて書いてある。5には、その行がありません。それどころか、5の製品ページには「イヤーフィン」という語が一度も出てきません。
さらに、ゼンハイザーの英語のプレスリリースでは、5の形状そのものを「fin-less(フィンの無い)」と表現しています。付属品から漏れたのではなく、フィンを使わない設計として発表されている、ということですね。
2年間フィンのサイズを行ったり来たりしてきた人間としては、なかなかの事件です。
ただ、無くなったこと自体は筋が通っているとも思うんですよ。耳型データで筐体を作り直したというのは、フィンで支えるという前提そのものを捨てたということでしょうから。支える必要がなければ、部品は要らない。
問題は、その新しい形が自分の耳に合うかどうかが、着けるまで分からないことです。合えば、2年分の悩みがまるごと消える。合わなければ、今度は付け替えて調整するという逃げ道が無い。
重量|イヤホンは0.8g重くなっている
6.2gから7gへ。0.8gです。
数字だけ見れば誤差だと思います。実際、手に持って分かる差ではないでしょう。
引っかかるのは、僕が落ちる原因を「本体の重心と、自分の耳の形へのマッチ度」だと考えているからです。あくまで見立てで、確かめる手段はありません。ただ、もしそれが当たっているなら、重くなる方向の変更は向かい風になります。
一方で、筐体の形が変わっている以上、重量配分そのものが変わっている可能性もある。だとすると0.8gの増加は関係ないかもしれません。スペック表からは、そこまでは読めない。
結局この2つは、着けてみないと分からないということですね。
だから僕はまだ、9月3日を待っています。
それで、買うのか
ここまで書いておいて何なんですが、まだ決めていません。
5万円に近い金額|2年前に、同じ額を払っている
発表を見て最初に頭に浮かんだのは、音でもANCでもなくて、値段でした。
MOMENTUM True Wireless 4を買ったのが2024年6月。あのときも5万円近くを払っています。そして、その4は今も動いています。バッテリーの持ちも、音も、不満はない。
つまり僕がやろうとしているのは、壊れていないものを、装着感と通話という2つの不満だけを理由に、もう一度5万円近くを払って買い替えるという判断なんですよね。
これが「音が良くなったから」なら、まだ分かりやすかったと思います。でも比較表で見たとおり、ドライバーも再生周波数帯域も4と同じ数字でした。5に払う5万円近くは、音への投資ではなく、装着感と通話への投資になる。
その2つに5万円近くを払う価値があるかどうかは、人によるとしか言えません。僕にとっては2年間ずっと引っかかっていた部分なので、安くはないけど、意味のない出費でもない。ただ、即決できる金額でもない。

発表を見て最初に思ったのが「またこれ5万近くするんじゃないの」でしたからね。音の話をする前に、まず値段の話が頭に来ました。
もう一つの選択肢|セールで4を買うという手
これは、5を検討している人には少し意地悪な話かもしれません。
この記事を書いている今、Amazonのスマイルセールの会期中です(2026年8月28日〜9月3日)。そしてセールの最終日と、MOMENTUM True Wireless 5の発売日が同じ9月3日です。
新型が出る直前の旧型は、価格が動きやすいタイミングではあります。実際どうなっているかは、リンク先で見てもらうのが早いです。
で、4を買うという選択は、実はけっこう合理的なんですよ。
音は5と同じドライバー・同じ周波数帯域。ANCオンの連続再生はむしろ4の方が長い。LC3にも対応している。この記事で並べた表の中で、4が5に負けていない行はけっこうあります。
ただし、条件がひとつ。
僕が2年悩んだ装着感のトレードオフは、そっくりそのまま引き継ぐことになります。フィンを大きくすれば落ちない、でも痛い。小さくすれば痛くない、でも落ちる。この記事を読んだ人は、それを知った上で選ぶことになるわけです。
耳の形が僕と違えば、そもそも問題にならない可能性も十分あります。こればっかりは、本当に人によります。

予約するなら|保証が1年延びるキャンペーンがあります
ひとつ、実務的な話を挟んでおきます。
ゼンハイザーが、MOMENTUM True Wireless 5の購入者向けにメーカー保証を1年延長するキャンペーンをやっています。通常1年のところが、2年になります。
- 対象:MOMENTUM True Wireless 5(グラファイト/クリーム)
- 購入期間:2026年8月20日19:00〜10月20日(予約分も対象)
- WEB応募の締め切り:2026年10月31日
注意点がひとつ。自動で付くものではなく、購入後に自分でWEB応募する必要があります。買って満足して忘れると、その1年は消えます。
バッテリーを自分で交換できる設計とセットで見ると、5は「長く使わせる」方向に寄せてきているな、とは思いますね。
僕の結論|着けるまで、決められない
はっきり書きます。この記事に、僕の結論はありません。
理由は、ひとつ前で書いたとおりです。フィンが無くなった筐体が自分の耳に合うのか、0.8gの増加がどう効くのか。僕の判断材料は、全部「着けてみないと分からない」側に乗っています。
スペックで判断できることは、この記事で全部並べました。増えた行も、減った行も、変わらなかった行も。そこから先は、耳の形の話になる。
それでも気になっているのは、ゼンハイザーが「そこを直した」と名指しで言っているからなんですよね。耳型のデータを解析して形から作り直した、と。73%という数字が同社調べであることは差し引くとしても、2年間そこで悩んでいた人間にとって、直しに来たと公言されて無視できるわけがない。
期待はしています。ただ、期待だけで5万円近くは押せない。
だから今の正直なところは、「気になっているけど、まだ押していない」です。
MOMENTUM True Wireless 5についてよくある質問
発表後に見かけた疑問と、僕自身が調べていて引っかかったところをまとめました。
MOMENTUM True Wireless 5は、4より音が良くなっていますか?
公式スペックの数字だけを見るかぎり、音を出す部品は変わっていません。ドライバーはTrueResponse 7mm、再生周波数帯域は5Hz〜21kHzで、どちらも4と同じです。
変わったのはチューニングと、Dolby Atmos対応、8バンドのグラフィックEQ。つまりソフト側からの変化になります。音そのものが良くなったかどうかは、発売後に自分の耳で確かめるしかない部分ですね。
バッテリーは本当に自分で交換できるんですか?
イヤホン側もケース側も、ドライバーで開けて交換できる構造になっています。交換用のツールは同梱されていて、交換するバッテリー自体は別売です。
完全ワイヤレスは普通、バッテリーの寿命がそのまま製品の寿命になります。そこに手を入れられる設計は珍しいと思います。ただし僕はまだ実物を触っていないので、作業がどのくらい簡単なのかは分かりません。
MOMENTUM True Wireless 5に、イヤーフィンは付いてきますか?
付いてきません。
ゼンハイザー公式の同梱品リストを4と5で見比べると、4には「イヤーフィンセット3個(S・M・L)」の行がありますが、5にはその行がありません。5の製品ページには「イヤーフィン」という語自体が出てこない状態です。
代わりに筐体そのものが耳型データをもとに設計し直されているので、フィンで支える前提を捨てた、という理解でいいと思います。
MOMENTUM True Wireless 4を持っています。買い替えるべきですか?
僕自身がまさにそこで止まっているので、断言はできません。判断材料だけ置いておきます。
音が理由なら、買い替える根拠はスペック上ありません。装着感か通話が理由なら、5はそこを名指しで変えてきています。ノイズキャンセリングをオンにしっぱなしで長時間使う人は、連続再生が1時間短くなる点も見ておいたほうがいいです。
「MOMENTUM 5 Wireless」という名前も見かけますが、同じものですか?
別の製品です。
MOMENTUM 5 Wirelessは耳をすっぽり覆うオーバーイヤーのヘッドホン、MOMENTUM True Wireless 5は完全ワイヤレスイヤホンで、形からして違います。名前に同じ「5」が入っているので検索結果でも情報が混ざりやすく、僕もスペックを拾うときに何度か確認し直しました。
答えは、9月3日以降に
2年前、MOMENTUM True Wireless 4を買ったときは、音の評判を読んで決めました。
その判断は間違っていなかったと思います。音には今も不満がない。それなのに、この2年でいちばん長く向き合ったのは、耳に引っかける小さなシリコンのパーツでした。落ちないようにすれば痛くなって、痛くないようにすれば落ちる。その真ん中を探して、2年です。
だから5の発表を読んだとき、いちばん反応したのは「Dolby Atmos対応」でも「バッテリー40時間」でもありませんでした。筐体を耳型データから作り直した、という一行です。
ただ、この記事で表を全部並べてみて分かったのは、5は「全部が良くなった新型」ではないということでした。音を出す部品は同じ。ノイズキャンセリングをオンにすれば再生時間は短くなる。コーデックはひとつ減っている。そして、2年間さんざん付け替えてきたフィンは、もう付いてきません。
いい変更も、そうでない変更も、同じ製品の中に並んでいる。どれが自分に効くかは、使い方によって変わります。
僕の場合は、効いてほしい変更が全部「着けてみないと分からない」側にあるんですよね。だから、まだ押していません。
9月3日に実物が出て、あの筐体が僕の耳に収まったら、この2年の付け替えはようやく終わります。収まらなかったら、そのときは4をもう少し使うことになる。
どちらにしても、答えを持っているのは僕ではなくて、僕の耳の形の方です。
僕はまだ押していませんが、値段だけ置いておきます。
5の予約ページも、4の現在の価格も、リンク先で確認できます。9月3日を待つにしても、その前に4を買うにしても、次に見るのは数字だと思うので。





コメント